こんにちは。長崎市のひろせ動物病院で獣医師として働いている廣瀬です。今回は猫の慢性腎不全についてのお話です。

猫の慢性腎不全

猫の慢性腎不全は高齢であればあるほど発症率が高くなります。ある調査では10歳以上で10%、15歳以上で30%にのぼると言われている、非常に
厄介な疾患です。高齢の猫が来院したら診断鑑別に入れなければならない病気です。3頭に1頭が慢性腎不全なのですから、病院に来院してきた猫の

殆どが慢性腎不全であると言っても言い過ぎではないのが事実です。

猫の慢性腎不全の症状

多飲多尿(水をたくさん飲み,オシッコをたくさんします)から始まり下記の症状を伴います。

  1. 食欲不振から食欲廃絶
  2. 嘔吐
  3. 体重減少
  4. 脱水

上記のような症状が出た時には既に腎臓細胞が3分の2まで破壊されいます。またそのまま様子を見ていると腎臓の大事な機能である毒素を排泄する
ことが出来なくなり、最終的には尿毒症で死亡します。

診断

  1. 血液検査
  2. 尿検査
  3. X線検査
  4. エコー検査

などです。

慢性腎不全の治療
腎臓の組織は一度壊れると元に戻すことはできないので、この病気にかかったら完治することはありません。治療は残っている腎機能を長持ちさせて、病気の進行を遅らせることが中心になります。
まずは脱水症の緩和の為に点滴を行います。多くの猫はストレスに弱くなっているので入院ではなく通院で行うことがりそうです。しかし多くの猫は末期で来院するので静脈内点滴が必要なことも
多くあります。また猫は来院を嫌いますので、自宅で点滴を飼い主さんに行ってもらっています。慢性腎不全になると高血圧となることが多くなります。先に述べたように高血圧は、腎不全進行の
最も重要な増悪因子であるとともに、生命にかかわる合併症の原因にもなります。このため、慢性腎不全の薬物療法の中で最も重要なものと考えられています。

食事療法

腎臓の機能が低下しはじめた頃から食事療法が必要となります。しかし、勝手に始めるのは危険で、主治医と相談し、栄養士から具体的な指導を受けることを勧めます。
低たんぱく、高カロリー、リンの制限をした猫用の慢性腎不全用の総合食を上げる事で少しでも長生きしてもらいましょう。総合栄養食には

ロイヤルカナン 腎臓サポートドライ腎臓サポートパウチ

ヒルス k/dドライk/dパウチ K/d 缶

などがありますので猫ちゃんの好みに合わせて決めて下さい。

猫の慢性腎不全の予防

定期的な検診によって、猫の体の状態を常にチェックすることが何よりも大切です。7歳を過ぎたら1年に1回、10歳を過ぎたら1年に2回くらいのペースで検診を受けるのがベストです。

若い時より特に7歳を過ぎた猫ちゃんには適切な食事と水分補給が重要です。

以上猫の慢性腎不全でした。