猫の甲状腺機能亢進症ついてです。

猫

甲状腺機能亢進症の概念

甲状腺機能亢進症は最近日本でも注目されている疾患です。猫の甲状腺機能亢進症は、甲状腺が腫れて大きくなり,甲状腺ホルモンが過剰に出されることによって起こる全身の病気です
1980年頃よりアメリカの大都市を中心に多く発生がみられるようになり,現在では猫のホルモンの病気では最も多いものとされています.

猫の甲状腺機能亢進症原因

人では血液中にTSHレセプター抗体(TRAb)ができることが原因です。この抗体は、甲状腺の機能を調節している甲状腺刺激ホルモン(TSH)というホルモンの情報の受け手で
あるTSHレセプターに対する抗体です。これが甲状腺を無制限に刺激するので、甲状腺ホルモンが過剰につくられて機能亢進症が起こります。
このTRAbができる原因はまだ詳細にはわかっていませんが、甲状腺の病気は家族に同じ病気の人が多いことでもわかるように、遺伝的素因が関係しています。
一方猫の甲状腺機能亢進症の原因は未だには不明のままです。
検査

10歳以上の老猫で,痩せていて,食欲があり,性格が荒くなった,あるいは異常に甘えるようになったまた眼がぱっちり大きい,という条件が揃っていれば,たとえ病気にはみえなくても,まず甲状腺機能亢進症が疑われます.そのような猫では,身体検査に続き,血液検査,血液化学検査,尿検査X線検査をまず行い,他の疾患や全身の状態について広く情報を集めます.よく食べるけれど痩せているという場合,もう一つ重要な病気として糖尿病がありますし,また甲状腺の病気では肝臓に異常がでたり,あるいは心臓が異常に大きくなったりすることもあるので,このように広く検査を行う必要があるのです.次にT4と呼ばれる甲状腺ホルモンを測定して高い値がみられた場合,甲状腺機能亢進症と確定診断されます.

猫の甲状腺機能亢進症の症状

この病気はとくに10歳以上に集中してみられます.典型的な症状は,食欲の増加,体重減少,活動性が高まる,おちつきがない,性格が激しくなったなどです.また進行したものでは,多尿,嘔吐,下痢,筋肉の衰弱,毛の光沢がなくなる,早い心拍なども観察されます.しかし進行したものでの症状以外,猫を病院に連れて行く理由にはあまりならないことがわかります.猫がよく食べるということは,満足であっても問題になりませんし,しかも体重減少に関しては,老猫でもあるし,よく食べるがさほど太らないと考えれば病気とは考えないでしょう.活動性が高まるということは,よく甘えるようになった,よく遊ぶようになったと考えれば,やはり病院に行く理由にはなりません.

猫の甲状腺機能亢進症治療

食事療法と投薬について
食事療法 はあくまで対症療法ですがヒルズのy/d缶を与えることによってこの疾患を治療してく方法でy/d缶のみを食べさせると症状の好転が見られることです。y/d缶のみ3週間(y/dのみの単独給与)で甲状腺の健康に役立つことが科学的に証明された栄養です。甲状腺の健康のため、ヨウ素を非常に低く制限しています。まずはこれから始める獣医師も多いと思います。

内服薬
抗甲状腺薬
現在日本で利用可能な経口抗甲状腺薬はチアマゾール(メルカゾール錠5mg:中外:人体薬)です。

手術療法

外科的に甲状腺を樹出する方法です。すべての猫が外科的な摘出の適応ではありませんので、ご注意ください。

猫の甲状腺機能亢進症まとめ

現在猫の甲状腺機能亢進症は日本でも注目されている疾患でその症例も増えつつあります。10歳以上の猫の飼主さんは上記のような臨床症状が現れたならば一度動物病院で診察を受けられるといいと思います。

食欲があるにも関わらず全身の筋肉量が少なくなったら猫の甲状腺機能亢進症を疑ってみましょう。