猫下部尿路疾患(FLUTD)とは主に下部尿路(膀胱から尿道)に起こる、いろいろな原因と症状を含む病気の総称です。原因のわからない特発性の膀胱炎や不適切な食事による尿結晶や尿石の形成が猫ではよくみられます。症状が進むと、尿道が詰まって排尿が全くできず尿毒症となり短期間で死亡することもあり、非常に注意が必要な疾患です。

猫

FLUTDの原因

特発性膀胱炎、尿石(ストルバイト尿石、シュウ酸カルシウム尿石)、尿道栓子によって発症することがほとんどです。

食事と尿pH

食事中に尿石の構成成分であるマグネシウム、リン、カルシウムなどが過剰に含まれていると、尿中に結晶や結石が形成される機会が増加します。また食事によっては尿pHのバランスを崩し、リスクを高めることもあります。

行動

室内飼いなど運動量が制限された環境で飼われている猫は、水分摂取量が不足しがちになり、尿量が少なくなります。また、トイレが汚れていると猫が排尿をがまんすることがあり、膀胱に尿が溜まる時間が長くなることから、FLUTDの発生を促進させることがあります。

性別/年齢

尿石の頻度と発生年齢尿路閉塞は若い猫や去勢されたオスでよくみられます。また、ストルバイトは7歳以下で、シュウ酸カルシウムは7歳以上で発生頻度が高い傾向があります。

体型(ボディ・コンディション)

体重過剰は猫のFLUTDを発生させやすくするといわれています。

どうして、猫にはFLUTDが多いの?

猫は、砂漠地域出身の動物なので、水分の喪失を少なくするため、少量で濃い尿を排泄するような体の仕組みになっていて犬や他の動物に比べて下部尿路にさまざまな症状が出やすいのです。

尿石ができるまで

FLUTDの原因の多くに尿結晶や尿石が関係しています。

結晶から尿石ができるまで


主な尿石の種類

尿結晶や尿石には数種類ありますが、猫で多いのはストルバイトとシュウ酸カルシウムです。

ストルバイト

シュウ酸カルシウム

こんな症状が出たら要注意

日ごろからペットの行動をチェックして、以下のような症状がみつかったら、早めに動物病院にご相談ください。

  • 尿の色がピンク~赤くなり、血が混ざっていることがある
  • トイレでじっとしてうずくまっている
  • 力んでいるが尿が出ない
  • トイレに行く回数が多くなる
  • トイレでないところで排尿をしてしまう
  • 行動が落ち着かない
  • 食欲がない/元気がない

ホームケア

獣医師の指示した食事のみを与えましょう
尿石症の管理には、食事管理がとても重要です。
尿石症の管理用に作られたフードを与え、おやつや食事の残りなどは与えないようにしましょう。
新鮮な水を十分に与えましょう
水分を多くとると尿量が増え、尿が薄められ排尿の回数が増加します。
缶詰のフードは無理することなく水分摂取の増加に役立ちます。
適切な運動をさせましょう
運動量が少ないと、水分摂取量が少なくなりがちです。
トイレを清潔にしておきましょう
トイレが汚れていると、排尿をがまんすることがあり、膀胱に尿が溜まる時間が長くなり、尿石のできるリスクが高くなります。

食事管理のポイント

尿路の炎症に配慮したフードを与えましょう
高レベルのオメガ-3脂肪酸と抗酸化成分は炎症を管理することに役立ちます。
尿石成分のレベルを考慮したフードを与えましょう
ストルバイト尿石、シュウ酸カルシウム尿石を考慮して、マグネシウム、カルシウム、リン、シュウ酸のレベルを適切に制限した食事が必要です。
尿のpHを考慮したフードを与えましょう
尿を正常範囲(pH6.2~6.4)にすることで、ストルバイトとシュウ酸カルシウムの結晶が形成されにくくなります。