ペットが人や動物に対して敵対心や恐怖心を持たず、

どんな時でも落ち着いて飼い主さんの言うことを集中して聞くことができる、

というのはペットが人間社会で生活する上で非常に大切なことです。

このような社会性を形成する時期は、幼少期の数カ月間だけであることがわかっています。

すなわち、しつけの第一歩は、幼少期にどれだけうまく育てられるか、ということが

大きなポイントとなってくるのです。

子犬では生後約4〜12週齢の時期を「社会化期」といい、

新しい経験をどんどん吸収できるという特徴があります

子犬は、生後4週齢頃から新しいものや動くものに興味を持ち始め、

積極的に近づいて行ったり触れたりしようとします。

本来であれば、兄弟と遊びながらコミュニケーション術を身につけ、

お母さんに連れられて行動範囲を広げ、

そして様々な物や音を見聞きして多くの経験を積みます。

そうすることで、

大きくなっても様々な状況に柔軟に対応できる適応力を備えることが出来るようになるのです。

ペットが人間社会で生活するためには、

この社会化期に家族以外の人に優しく触ってもらったり、他の動物と触れ合ったり、

人間社会で起こりうる様々な刺激や環境を経験することが大切です。

その経験を通して、身の回りのものや環境との関わり方を自分自身で学んでいきます。

このような社会化がきちんとできたペットは、

大きくなっても人や動物のことを必要以上に恐れることなく、

人間社会にうまく適応することができるのです。

もし、この時期の社会化が十分でないと、

人や動物に対して不必要に恐怖心を抱いたり、新しい環境を受け入れにくくなるため、

将来飼い主さんはもちろん、その子自身も不快な思いをする場面が

増えてしまうことになります。

なお、 社会化期にも臨界期があります。

「臨界期」とは別名「感受性期」とも呼ばれ、

外からの刺激により、脳の中で覚えたり感じたりする神経回路が集中的に作られたり、

組み換えが盛んに行われる時期です。

その中で刺激が多い神経回路は強化されますが、刺激が少ない神経回路は脱落してしまいます。

よって臨界期までに一度も使われなかった脳細胞は

一生必要ないと判断され、臨界期を越えた時点から消滅していく運命となるのです。

犬の場合は生後3〜16週の13週間がこれにあたる時期だと言われています。

臨界期は一生に一度しかなく、この時期には二度と戻ることができません。

つまり、この短い期間における周りからの刺激が、

ペットの社会化や今後の発育に影響を及ぼすのです。

最近のペットは、生後間もないうちに

母親から離されて1頭ずつで飼育されることが多いため、兄弟と遊ぶ機会が少なく、

動物同士のコミュニケーションを体験しない子もいます。

散歩中に他の犬を必要以上に怖がったり、知らない物を見てパニックになったりする子は、

社会化期をうまく過ごせなかったのかもしれません。

大きくなってしまってからでは、臨界期は過ぎてしまっていますので、改善は難しくなるでしょう。

飼い主さんは子犬・子猫の時期に様々な学習をするチャンスを与えてあげなくてはいけません。

例えば、お客さんに来ていただいて優しくなでてもらったり、

騒がしい場所や広い場所など様々な環境へ連れて行ったりと、たくさんの経験をさせてあげましょう。

そしてそれらの経験をさせながら、

褒めたりごほうびをあげることで「新しい体験は楽しいこと」と思わせるように導いてあげるのです。

よろしくおねがいします♪